第37章 番外編 F6 カラ松と捨て犬
F6カラ松視点
(今日は、海にでも行くか)
昼下がりの気だるげな太陽を背に、風を切り、ライダースジャケットをなびかせる。
何も予定が無い日は、バイクを走らせどこまでも行く。
普段の生活に辟易したら、オレは1人で逃げ出すんだ。
誰もいない、オレだけの世界へ。
アイドルだとか学園生活だとか、正直面倒くさいことこの上無い。
オレはやりたいようにやる。それだけだ。
道端に転がる石ころみたいな人生だっていいじゃないか。
面倒なしがらみから逃れたくて、守るものも守られるものもない、自由な世界にずっと憧れていた。
だけど、出会っちまった。
まるで、捨て犬みてーでほっとけない女に。
出会っちまったんだ。