第36章 番外編 F6 SIX SHAME BODYS!
主人公視点
早朝、わたしは実家のケーキ屋の入り口にある花壇に水をやっていた。
赤や黄色、色とりどりの愛らしいパンジー達は、嬉しそうに雫を纏う。
(今日は早起きしたしいい日になりそう!)
鼻歌を歌いながら水をやっていると、パンジーに人影が差した。
お客さんが来たのかと思い、振り返る。
「申し訳ございません。うちは10時オープンなのですが」
「えへへっ!主ちゃん!会いにきちゃった!」
「え?ど、どちら様ですか?」
わたしの目の前には、ピンク色の髪が印象的で、瞳の大きな愛らしい男の人がいた。
美少女みたいな顔をしているのに、8頭身で背は高く、モデルのようなルックスだ。
非の打ち所がないとはまさにこのことである。
しばらく見惚れていたけれど、何かが頭に引っかかった。
(あれ?この声、どこかで聞いたような?)
まさかね…と思っていたら、
「もうっ、変な冗談よしてっ!ボク、主ちゃんのカレシでしょ!」
そのまさかだった。
わたしが戸惑うと、ぷくっとほっぺたを膨らませる。
(か、かわいいっ…じゃなくてっ!)
「うっ、嘘でしょっ!?だって、トッティはもう少し背が低くて、髪も黒いし、それに…!?」
あれ?
なんだか、記憶が曖昧になってきた。
そういえば、トッティってこんな顔だっけ?
わたし、こんな妖精みたいな人と付き合っていたっけ?
頭を抱えていると…
「追いついたよ、トド!」
「!?」
同じくらいイケメン高身長な五人が、トッティ(?)の後ろから現れた。