第32章 アンケート投票第1位 チョロ松は見た!
ゼェ…ゼェ…
オナニー…してしまった…。
この僕が…兄弟のセックスを…。
まさか、オカズにする日が来るなんて。
だんだんと我に返ってくると、罪悪感でいっぱいになった。
もうイヤだ。忘れたい。
(てかこっちに来る前に退散しないと…!)
僕は急いで下を履いてリュックを背負った。
「おそ松くん、トイレ借りていい?」
「うん。いってらっしゃい」
(ヤバいヤバいヤバい!!)
——ガラッ
逃げる間もなくふすまが開いた。
その刹那。
「う、うわぁぁぁあーー!!」
階段を踏み損ねて、僕は池田屋事件のように、身体を打ち付けながら転がり落ちていった。
ゴロゴロゴロ…ドンガラガッシャーン!!
「キャーーー!!!!」
「どーした!?平気か!!って、チョロシコスキー!!??」
僕の思考は、ブレーカーが落ちたようにプツリと途絶えた。
そして、落下の衝撃で、おそ松兄さん達のセックスは忘却の彼方に消えていった。
不幸中の幸いである。