第30章 アンケート投票第2位 注文の多い猫松 後編
後日談
なんとかクビにならずに済んだおれは、今日も猫カフェで働かせてもらっている。
今日はなんと、オープン前に猫達に餌をあげる役目をもらった。
皿にキャットフードを入れ、餌を食べる猫達を眺める。
(みんな、沢山食えよ)
その中で、ペロリと一番速く食べ終わったのは、ロシアンブルーの松子だった。
「ウニャーァ」
「甘えたって、ごはんはもうおしまい」
おれの靴に頬ずりする松子。
上目遣いでおれを見てくる。
(なんだ?この既視感。おねだりしながら上目遣い……って!?)
あろうことか、勤務中にこの間のクソエロかった主を思い出してしまった。
「ニャァーン」
松子の澄んだグリーンの瞳に、なぜだか主を重ねてしまう。
(マズい!!このままおれのが元気になっておっ勃てながら店をうろついたら今度こそクビだ!!燃えないゴミだ!!)
オロオロするおれを見ながら、松子はニャンっと得意げに鳴いたのだった。