第28章 ※アンケート投票第3位 十四松パンとわたし
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「うう、ん……」
窓から差し込む朝日のまぶしさに目が覚めた。
「あれ?」
いつの間にか、わたしは自宅のベッドに戻ってきていた。
キスをしたのまでは何となく覚えているけれど、それ以降の記憶が全くない。
ベランダの掃き出し窓は開けっ放しになっているけど、ちゃんと網戸にしてある。
(やっぱり…ただの夢だったんだ)
でも、夢の中に会いに来てくれたんだね。
(すごく楽しい夢だったな。十四松くんといっぱい過ごせたし、ティンカーイチちゃん可愛かったし…)
だけど、夢にしてはリアルだったことがいくつもあったような…。
(わたし、よっぽど十四松くんに会いたいんだなぁ)
今日の夢の話を、彼に話したら一体どう思うだろう?
(っと…もう起きないと!)
上半身を起こしてからベッドに座り、立ち上がると…
—ガリッ—
「痛っ!」
何かを踏んづけ、足に痛みが走る。
恐る恐る足元に目をやると、そこにあったのは…
(これ、ティンカーイチちゃんの?)
踏まれてボロボロになった松ぼっくりだった。