第28章 ※アンケート投票第3位 十四松パンとわたし
主人公視点
(はぁ、毎日つまんない。仕事は楽しいけれど、全然十四松くんに会えない…)
ベッドの上で毛布にくるまり、十四松くんと楽しく過ごした時間を思い返す。
いつの間にかこれが、眠る前の日課になってしまっていた。
(次はいつ会えるかな?会えないなら、せめて…夢の中で会いたいよ…)
ため息を吐き寝返りを打つと、風が頬をかすめた気がした。
(あれ?わたしベランダ閉めなかったっけ?)
身体を起こし窓を見ると…
「えっ!?」
不思議な格好をした人影がベランダの窓際に立っていた。
隣には小さな虫のような…何か。
いや、あれは…
(十四松くんっ!?それに…よ、妖精っ!!??)
虫に見えた小さな生き物は、人間と同じ顔、身体つきで背中から羽が生えていた。
十四松くんはニコッと微笑み、妖精を手のひらに乗せる。
にわかには信じられないけれど、わたしの目の前に、ファンタジーが広がっていた——。