第22章 寝起きにレモンフレーバー 十四松
おそ松視点
(うー、ダメだ!思い出せねーーっ!)
7人でちゃぶ台を囲み朝メシを食っている。
何にも思い出せないんだけど、十四松以外の俺らはなぜか、頭に巨大なたんこぶが出来ていた。
「主ちゃん、俺たちそんなに寝相悪かったの?」
「あ、は、はいっ。寝ぼけてプロレスごっこしてました」
「ふーん…それにしちゃあクソエロい夢見た気がするんだけどなぁ…。なんか、生々しかったというか…気持ちよかったというか…」
周りを見渡すと、なぜだか全員下を向いている。
「チョロ松ー、お前は寝ぼけてプロレスしたの覚えてるー?」
「プロレス…というか…柔らかくて、いい匂いに包まれて…うーん——って、十四松何その目つき!?これ、夢の話だけどっ!?」
「オレも…プロレスではなく、運命の恋人にようやく巡り会えたような夢をみグフゥッ!?」
「ごめーん!!ぶつかっちゃったー」
珍しく十四松がカラ松を攻撃している。
「なぁ、一松とトド松は覚えてるか?」
二人とも顔が赤くなった。
「おれは…猫と寄り添って昼寝」
「ボクは、カワイイ女の子に甘えて…それから…」
ガタッ
十四松が不気味な笑みを浮かべながら立ち上がった。
「じ、十四松くん落ち着いて!みんな、夢の話しているだけだからっ!!」
主ちゃんが耳まで真っ赤にしながら、必死に十四松をなだめている。
(やっぱり…思い出せねーな…)
ズズズと味噌汁をすすりながら、俺はたんこぶをそっと撫でたのだった。