第12章 ※チョロ松の台本 ライジング編
おそ松視点
ライジング思考スキーが階段の前で崩れ落ちた。
(ほら言わんこっちゃない)
力なく台本を握りしめながら、女子みたいに大粒の涙をこぼしている。
「……ぼ、ぼく…どうして…こんな……」
(こりゃ相当な痛手だな…)
みんなでチョロ松の元へ駆け寄る。弟達は落ち着いた声で話しかけた。
「追いかけるんだブラザー」
「せ、背中…スリスリ…優しかった」
「ぼくも探すよ!ダイジョーブ!」
「謝らないと!!」
慰めの言葉も届かず、チョロ松は階段にうずくまったままだ。
「でもっ……おじまいだっ…!ぎ、ぎもぢわるいっで……!」
(ヒドイ鼻声しやがって…)
俺は、ライジングの肩にポンと手を置いた。
「念願の彼女が出来て、ちっとはマシになったと思ってたけど、まだまだだったな」
「な、なに…が…?」
「見栄、体裁…外側ばっかりカッコつけようとするのがお前のワルい癖」
ライジングは鼻をすすりながら俺の話に耳を傾けている。
「自分を良く見せようとプライドばっか気にかけてさ、あの子のキモチなんてこれっぽっちも考えてなかったろ?」
「!!」
ハッとした表情になり、ちっちゃい目を見開くチョロ松に続ける。
「それとも何?あの子も自分のステータスのために付き合ったの?俺らより先に彼女作って、兄弟の中で自分が一番マトモだって」
「ぢがうっ!!!」
「バッカじゃねーーのっ!?じゃあここでグダグダしてねーで、早く追いかけて謝って全部洗いざらいブチまけてこいっ!!!」
「………わがっだよ!!!」
チョロ松は立ち上がると、ドタドタと物凄い勢いで階段を降りて行った。
・・・
「おそ松兄さん…今回のビッグバンは…修復できるかな…?」
「さあな…縁が無かったらそれまでだろ…」
俺たちは誰が言い出すでもなく、家を飛び出して主ちゃんをさがしに行った。
次章へつづく…