第78章 ※おまけ ありがとうを君に
「あれ?こっちってわたしの家じゃないよ?」
「あのさ…僕達大人だよ?デート楽しかった!じゃあまたね!で済むと思ってるのかい?」
必殺"今夜は帰さないスマイル"で微笑みかけると、主の顔が紅に染まってゆく。
「…今夜は虐めて欲しい?それとも甘め?」
「あっ!それで思い出した!」
「えっ?」
主は唐突にバッグから、シックな黒にゴールドのリボンが結ばれた小さな箱を取り出した。
「はい、バレンタインチョコ!」
僕も忘れていた…。
そして今運転中だし、渡すタイミングちょっとズレてないかな?
とは思ったけれど、無邪気な笑顔に魅せられて、礼を言いチョコを受け取るとドアポケットにそっとしまった。
「あのね、あつしくん甘いの苦手って言ってたから、ブランデーが入ったにっがーいのにしたよ」
「ありがとう。後で二人で食べよう」
えへへと嬉しそうに顔をほころばせる君。
呑気にそんな顔をしていられるのも今のうち。
「じゃあ…チョコが苦い分、セックスは甘々にしてあげる」
その一言で、主の顔がボンッと赤一色になった。
(約束通り…ベッドの上で沢山可愛がって、甘い夢を見させてあげるからね…)
——その後、
僕たちは、超ウルトラスーパーデラックスギガントスイートルームに一泊し、激甘な夜を楽しんだのだった。
あつしくんの場合 fin