第10章 トド松のかくれんぼ
カラ松視点
(なんてことだ…!オレのパーフェクトファッションがっ!!)
漢同士の真剣勝負の最中、つい手が滑ってお茶をパーフェクトファッションにこぼしてしまった。
幸い革ジャンは無事だが、タンクトップのマイフェイスにお茶を飲ませてしまうとは…やれやれ…オレもヤキがまわったな。
(そういえば、トド松を呼んでこいと頼まれていたな…)
居間と台所を覗くが、トド松の姿が見当たらない。
(トイレか…?)
タンクトップを脱ぎ、洗濯カゴに入れてからトイレをノックする。
「トッティ、おそ松が呼んでるぞ」
——ガタンッ!!
「んっ!?」
真っ暗な浴室から不審な物音…?
(まさか…マッドスティック!!??)
「誰だっ!?フーアーユウッッ!!!!」
オレは勢いよく風呂場のドアを開けた!!
カラ松アイズに飛び込んできたものは…!!
「え……?」
何だ?
トッティがタッティでタッティがホールインワン——?
「………フッ……」
そっと、二人のラバーズドアを閉めた。
「おそ松ー!トッティは出かけたようだー!」
さぁ、戦いの地に戻ろう。
オレは孤高の戦士…。
勝ち抜いて、心の渇きを潤す極上スイーツを、必ずや手に入れてみせよう。
オレは今、何も見ていない。
ぬっるぬるなど、見て…いな…い…。
また一人、カラ松ボーイが増えた事を、この時の彼は知る由もなかった…。