第77章 ※ひたすら遊んで暮らしてぇ! 長男END
主人公視点
今日は休み。
遅く起きた朝、わたしは一人朝食を済ませる。
二週間前くらいから、おそ松くんが家に遊びに来なくなった。
いつもなら、次の日が休みの夜に仕事から帰ると、テレビを観ながら部屋でゴロゴロくつろいでいるのに…。
数回電話したけれど、「競馬で負け続けて金欠だから自粛中」と言われ、一方的に切られてしまった。
(負けに負けて塞ぎ込んでるのかな?)
この時のわたしは楽観的だった。
特に喧嘩も何もしてないし、そのうち会いに来るだろうと思い、服でも買いに行こうと家を出た。
駅に向かい賑やかな通りを歩いてると、フラフラしながら歩く紫のシャツが目に入った。
(あれは…もしかして)
猫背だし、紫だし、あの人しかいない。
話しかけようと思い後ろ姿を追いかけたら…
——バタンッ
「い、一松くんっ!?」
目の前で倒れこんでしまった。
すぐに駆け寄り顔を見る。
マスクをしてても青白いのが分かった。
「大丈夫!?」
「あ…おそ松兄さんの…」
肩を支えて立ち上がらせると、お腹を押さえている。
「どうしたの?お腹痛いの?」
力なく首を横に振っている。
すると…
—ぐうぅぅぅうう…—
「……」
「も、もしかして…お腹減ってるの?」
「……」
返事の代わりに再度お腹がぐーーーっと鳴った。