第74章 ぼくだけの姫君 四男END
「わーい!ボクは写真撮ろーっと!」
「野球野球ー!!」
「フッ、目と目で会話するのも時には必要だぞ…ブラザー?」
「おいっ!!テメーらぁぁあ!!」
一松、お前がキレようが何しようがこれが松野家流おもてなしだから。
ほら見ろよ。
主ちゃん、すっげー笑ってるぜ?
いつか家族になるかもしんねーんだから、これくらい慣れとかないと後が大変よ?
「おい…いつまで手ェ握ってんだシコティッシュ」
「シコティッシュって誰だ!!猫の品種っぽい響きやめろ!!」
「クソ松…右と左、どっちの目ん玉からえぐって欲しい?」
「おいちょっと待て!見てない!見てたのは目ではなくハートだ!!」
「チッ、もういいめんどくせー」
一松はそう言うと、なんか押入れから熱線銃みたいなのを持ってきた。
「おぉぉおいっ!?んな物騒なモンどこで買ったの!?捨ててきなさいよ!!」
「よせチョロ松!刺激してはダメだ!ほーらいちまーつ、グラサンだぞーかけたいだろぉ?その物騒な銃とグラサンをトレードプリィーズ?」
一松はニタニタと不吉な笑みを浮かべながら、カラ松に向けて銃を構えた。
「交渉決裂……か。よし、チョロ松の背中はオレが守る!!」
「敵前方にしかいねーしっ!?人を盾にすんなっ!!」
つーかうるさいよ弟達。
主ちゃんひいちゃってるから。
こいつらって、必死になると周りが見えなくなるタイプなのね。
「こうなりゃまとめてコロス。おい…テメーの墓は先にテメーで掘っとけよ」
「こわいよぉぉお!!助けて十四松にーさーーんっ!!」
「ムリだね!!」
…ま、慣れるまでもうちょい時間がかかるかな。
不器用で寂しがり屋だけど愛情は人一倍。
それが四男、松野一松。
——おしまい——