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お嬢様のお悩み
第9章 榊原梓人と双子
颯良side
婚約者なんて、
お嬢様にはよくあることだ。
何でもないふりして気にする自分が、
素直じゃないから腹が立つ。
「...颯良」
目の前に現れたのは、
最も顔を見たくない人物だった。
奴は、婚約者になってまで
俺の大切な人を奪うのか。
「....話しかけんなクズ」
お互い歩み寄ろうなんて
そんな面倒くさいことしない。
「....颯良ッ!!」
「うるせぇ、話しかけんなっつってんだろ」
壁に押し付け、
睨み付ける。
身分?
そんなこと知ったこっちゃねぇよ。
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