第8章 婚約者候補、現る!!?
お嬢様を探し回って30分。
ようやく見つけた、その場所は3階のベランダ。
「お嬢様、いけませんよ。あんな風な態度を取られては」
「ヒロさんは、やっぱりお父さんの味方なんだね。私じゃなくて、お父さんの」
悲しそうな目をするお嬢様。
近づいて中へと入れる。
体がヒンヤリとしていた。
「信じてたのに。ヒロさんだけは、私の味方してくれるんだって!....権力には、逆らえないもんね...」
「違います!!」
「ちがくない!!!」
涙目の目が、自分の目と合う。
今にもこぼれそうな涙。
拭ってあげることさえも、
今は許されないんだ。