第5章 光琉×颯良
「光琉、入ってい?」
「どうしたの、珍しいね」
入って来たのは海斗(うみと)兄さん。
いつもは仕事仕事で家に帰っては来ない。
「うん、午後は休みにしてもらったんだ」
ソファーに座る海斗兄さん。
海斗兄さんとはあんまり話したことがない。
だからだろうか、苦手意識が高い。
「何か用があって来たんでしょ。」
「ああ、そうだった」
海斗兄さんは思い出したようにそう一言呟き、ポケットからルビーのネックレスを取り出した。
「これ、光琉にあげるよ」
そのネックレスを差し出す。
キラキラしていて綺麗だ。