第10章 君の笑う頃に。
婚約者騒動も済んで、少し、いやぁな雰囲気が
漂っていた。
最近は家に弟と私しか居なくて、なんだか寂しい。
ヒロさんともギクシャクしちゃうし。
颯良も月李もなんか変だったし。
「大丈夫??光琉姉さん」
声を掛けてきたのは絢斗。
「大丈夫だよ」
「無理しなくても良いんだよ。
姉さんは頑張ってるんだし」
と言われても。
絢斗はニッと笑い、ギューッと抱きついて来た。
昔から私が落ち込むと絢斗はこうして甘える。
「僕には姉さんしか居ないんだから。
無理してくたびれられても困るんだよ?」
絢斗は本当に優しい。
家族の中でもいつも一緒に過ごしてた。
だからだろうか。
絢斗は私が落ち込んでると、すぐ励ましてくれる。