第9章 榊原梓人と双子
仲直りなんか出来るはずない。
だって僕が原因なんだから。
これからだってそうなって、
傷つけてしまうんだ。
「....まさか、ここに居るだなんて知らなかった」
「あの2人は自由人だし、おちゃらけてる
でも、きっと榊原さんのことは嫌いじゃないって
私は思いますよ」
彼女は優しく微笑み、僕を見た。
ドキンと胸の鼓動が高くなる。
「あと、婚約のことはお断りします。」
「...分かりました」
ごめんな、月李。
僕はやっぱり最低で単純かもしれない。
たったひとつの言葉と笑顔で、
こんなにドキドキするだなんて。
俺も馬鹿なのかもしれない。
けど、
今度は諦めようと思う。
お前にとって大事な人なら、
俺は邪魔なんかしないから
今度は真正面から会えたなら、
そん時は謝るよ、月李。