第9章 榊原梓人と双子
庭、
榊原さんと歩きながら昔の話を教えてくれた。
月李と颯良、それから榊原さんが
まだ中学時代のとき。
「僕、月李に好きな人が居るんだって知ったとき
嬉しくて協力すると、言ったんです。
見ていて微笑ましくて楽しくって。
だけど。
ある日、月李の好きな人が俺を呼び出した」
"好きなの、榊原くんの事...。“
「その時は驚いたし、ちゃんと断ったんだ。
だけど彼女、無理やりキスしてきて。
見ていた2人が僕に掴みかかって来て
その日を堺に話すことも一緒に居ることすらも
なくなってしまったんです。」
“根性腐ってんじゃねぇのか!?"
"てめぇは良いよな、家柄いいし顔利くし??
言いくるめてモノにしたんだろーけど“
「仕方ない、って思ったんですよ。
昔もずっとそう勘違いされてきたし、
これから先もそうなるんだろうって思ってた
だから2人と離れてしまったことも、
悲しかったけど諦めた
弁解する言葉すらも、出なくって」