第16章 見つける
練習が終わる頃にはどのタッパーも空になっていた。
『うまい』と食べてくれる皆の姿や
『ありがとう』と言う言葉が頭に浮かぶ。
リコにも誉められた。嬉しい。
(あっ!私ができる事、これかもしれない)
「あのね、リコ…」
更衣室でリコに話しかけた。
「なに?」
「明日も…というかこれからも、差し入れ持ってきてもいいかな?」
「モチロン!ただ、負担にならない程度にね。材料費は部費で請求すること。それは守ってね」
「うん」
私も見つけた。
私の課題。
私にできること。
少し遠回りをして、本屋に立ち寄り、
『スポーツ栄養』と言う本を手に取った。