第16章 見つける
次の日、
嫌な話を聞かせてしまったお詫びも込めて、差し入れを持って練習に向かう。
あれから、日向や伊月からも『ごめん』『気にするな』とメールが来た。
気を使わせてしまって、本当に申し訳ない。
だけど…
メールはくれたけれど、顔を会わせたら違うのかもしれない。
今日はどうだろうか?
また、昨日みたいな雰囲気になってしまったらどうしよう…。
バスケ部の皆は仲良しなのに…
私が…
昨日、よけいな話をした事が原因で気まずくなってしまったら…
本当は言わない方がよかったのかもしれない。
誤魔化した方がよかったのかも…
向かう足取りが重い。
体育館に着いたのは開始時間ギリギリ。
平静に。いつも通りに…
そう、自分に言い聞かせて「おはよう」と扉を開けた。