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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第15章 話す【side 水戸部】



「カントク居ないなら、陽向も誘おうぜー」

皆が昼食を広げようとすると小金井がそう言った。

「俺ら、陽向の事あんまり知らないじゃん。陽向も自分の事喋んないし。ついでにいろいろ聞いちゃおーぜ!」


その言葉に皆が同意し、洗濯籠をもつ陽向を小金井が強引に誘って、昼食の輪へ入れた。


小さな弁当を持って、どこに座ろうと困っている様子の陽向に自分の隣をポンポンと叩けば、躊躇いなく腰を下ろす。

「おじゃまします」と笑った。

前みたいに、あまりおどおどしなくなった。


彼女が広げた弁当箱の中身はとても綺麗で、女子らしい。

自分で作ってると言っていた。


あちこちから陽向に質問が飛んで、

それに一つ一つ丁寧に答えながら、つつくように食べている。


それだけで足りるのかな?
心配になるくらい食が細い。


質問に答える度に、あまり知らなかった彼女の事を知って行く。


陽向の趣味はギターらしい。
ピアノも弾けるらしい。
手話ができるらしい。
そうゆうクラブに入っていたらしい。


そのことに皆で意外だと口にすれば、運動神経を使わなくていいことはだいたいできると膨れた。

たまに見せる些細な行動が、ちょっと幼い。


そうゆう所が、可愛いなと思う…。


きっと、歳の離れたお兄さんにずっと甘えてたんだろうな。
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