第13章 話す
「じゃあね、じゃあね」
お弁当を食べ終えてもまだ質問は続くらしい…
「好きなタイプは?」
「えっ?」
「だから、好きなタイプ!」
今こそ、日向に突っ込んで欲しいのに、皆がこちらを見た。
答えるしかないらしい…。
「えっ…と、無言が苦じゃない人かな?」
「どうゆう事だ?」伊月が聞く。
「私が喋らなくても気にならない人がいいかな?」
顔を上げるのが恥ずかしくて下を向いた。
「私…よく『ぼーっとしてんなよ』って言われるの。テンポのある会話についていけなくて…つい、黙っちゃうから、そう見えるみたいなんだけど…。む、無理に…話そうとしても上手く話せないというか…。は、話そうとすれば…するほどね。言葉が…詰まっちゃうの。だ、だから、上手く喋れないのを急かさず待ってくれる人がいいな。会話が止まっても、無くても、その時間が…苦に、ならない人がいい」
詰まりながら話す私の言葉に、皆が「ふーん」と言うなか、トントンと肩が叩かれる。
「『誰にそんな事言われるの?』って水戸部が」
コガが教えてくれる。
「うん。従兄弟にね」
水戸部の眉が下がった。