第13章 話す
「じゃあさ、じゃあさ」
コガがまた何か聞こうとする。
「ちょ、ちょっと…待って。さっきから質問ばっかり…どうしたの?」
「いやーさ」
ニコニコしていたコガが真面目な顔になる。
「俺たち、あんまり陽向の事を知らないなと思って。前みたいにおどおどするのは減ったけど、まだ距離がある気がするんだよねー。せっかく仲間になったのに距離が空いたままじゃ嫌だし、ちょうどいい機会だしさ‼」と笑った。
「嫌だった?」
「ううん。嫌じゃないよ」
嬉しかった。
あまり役には立てて居ないと思うけど、仲間だって言って貰えて嬉しかった。
「…今度、皆の事も教えてね」
少し間が空いて、そう続ければ、
「おう!今日は陽向な」と。
「それでは質問します」急に司会者風の口調になったコガが、「好きな食べ物は?」と私にマイクを向けるように握った手をだした。