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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第12章 立ち止まる


誠凛バスケ部は順調だ。

電車移動には慣れなくてソワソワしてしまうけど、なんとか大丈夫。

さりげなく隣に居て気にかけてくれる水戸部やしきりに話しかけてくれるコガのおかげだ。

コガは、きっと初日の様子を水戸部に聞いたんだろう…。

次の日に「無理しなくていいよ。早めに学校出て、無理そうなら一回降りれる様にしたらいいじゃん」と言ってくれた。

「皆には俺と水戸部で適当に理由つけて出発時間早めてもらうように言っとくからさ!!」と。

彼等には、頭が上がらない。



それとは別に、最近木吉の様子がおかしい。

何を考えているのか分からない事は、珍しくはないけど、最近は特に…。

笑っているような、笑ってないような…。
なんとなく違和感がある。


『何が』とは言えないんだけど…。





帰り道。

思いきって、木吉に「最近、何かあった?大丈夫?」と聞いてみた。

でも、「何でだ?なんともないぞー」と言われてしまう。

それどころか、

「碧は、電車は大丈夫なのか?」とか、
「部活はなれたか?最近、水戸部やコガとよく一緒にいるよな」とか、

何故か、私の話しになってしまった。


「アイツらいい奴だからな」

「アイツら?」

「水戸部とコガ」

「うん。そうだね」

「特に水戸部は優しいな」

「そうだね」

「碧と水戸部はよく似てるけど、正反対だしな」

「えっ?どうゆう意味?」

「まぁな。俺はいいと思うぞ」

「ん?なにが?…ねぇ、木吉。どうしたの?」


木吉の会話の意図が分からない。
頭にハテナを浮かべて彼の顔を見上げれば、


「シッポみたいだな」

長い腕が伸びてきて、後ろで束ねている私の髪を木吉の指が揺らす。


「ぽ、ポニーテールって、言うし…ね」

的はずれな返事をしたのかも…。

でも…。

まぁ、木吉だから大した意味は無いんだろうけど、兄や従兄弟達ではない異性に髪を触られるのは、ちょっと…。

熱くなった頬を下を向くことで隠した。




あと1つ勝てば決勝リーグ。
私達はそこまで勝ち進んでいる。


ちょっと、誤魔化された感じはしなくもないけれど…


本人が言うなら、気にすることないのかも…
変だと思うのは私の気のせいなのかもしれない…

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