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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第2章 出逢い


入学式から数週間後。
私は学校の図書室に居た。

今日は、お兄ちゃんと伯母さんの家に行く。
「少し遅くなったけど…」と伯父さんから連絡が来て、私と同い年の従兄弟の入学祝いをしてくれる事になったらしい。

お兄ちゃんの大学のバスケ部が学校から10分程のスポーツジムでトレーニングをするというので、そこで待ち合わせ。

バイクの後ろに乗せてもらって一緒に行く。

兄と私は二人暮らし。大学3年になって寮を出ると言うお兄ちゃんが一緒に住むことを提案してくれた。

国内外へ出張が多い父。
母は他界しているので、父の出張の度に幼い私は伯母さんの家に預けられた。
伯母さんはいい人だし、従兄弟たちの事も好きだけれど、やはり自宅ではないので、それなりの歳になれば遠慮は覚える…。

そんな私の事を思って、兄が父を説得してくれたのだ。

これを期に、父は本格的に海外で仕事をはじめ、今まで住んで居た家は売りに出して、私達兄妹は今のマンションに越して来た。


学校までは徒歩圏内だか、伯母の家は
電車をつかわなければならない。

私は電車が苦手だ。

ううん。
苦手なんてものじゃなくて、一人では絶対に乗れない…。

だから…




そんな理由で、図書室で時間を潰している最中。



時間を潰すくらいなら、一度帰って着替えた方がいいと思われるのかもしれないけど、
図書室で宿題をしたり、本を読んだり…
ゆったりできる、こうゆう時間は好き。

私にとっては、贅沢な時間の使い方だったりする。

家に帰ると、講義、バスケ、バイトをこなし、私の面倒まで引き受けたお兄ちゃんへの負い目からか、家事に力を注いでしまう。

『当番制』
『分担してやればいい』
『高校生らしく過ごせばいい』

お兄ちゃんはそう言うけれど、そこは私がやるべきだと勝手に思っている。

『兄の負担にはなりたくない』

この思いが大きい。

そんな事言ったら、きっとお兄ちゃんは『妹を負担に思うわけないだろう!!』と怒るんだろうけど…

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