第9章 始める
あれから、何回か見学をさせてもらって、仮入部も経て、バスケ部に入部届けを出した。
正式にマネージャーとして頑張ってみることにしたのだ。
お兄ちゃんは「頑張れ‼」って応援してくれた。
「家の事が疎かになるかもしれないけどごめんね」
部活をはじめる上で気がかりだった事を謝れば、
「家事はべつに碧の仕事ってわけじゃないだろう。やれる方がやればいいんだ」
そう言って、「バスケは楽しいぞ」と笑ってくれた。
ルールも覚えて、
たまにミスもするけど記録とかもつけられるようになって、
伊月のダジャレをスルーしたり
日向のクラッチタイムにいちいちビクつかなくなって、
いろんなことにもだいぶ慣れて、
今は部活の時間が楽しい。
「もうすぐIH予選ね」
「そうだね‼」
ワクワクという擬音語がぴったりなリコと私は、お互いの顔と練習をする皆を交互に見つめて笑い合う。
毎日が充実している。幸せだ。