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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第8章 渡り廊下【side 水戸部】


居ないかな?

と渡り廊下から中庭を覗いてみた。


「水戸部さー。今日、よくキョロキョロしてるよねー」

小金井に言われて、

『別に』と顔を反らすと、


「あっ。アレ、陽向じゃん!おーい‼」

と、俺が探してた人を見つけて手を振った。




気がついたのは一昨日の昼休み、先生に頼まれた資料を取りに行く為に、この渡り廊下を通った時だった。


マネージャー候補として木吉が連れてきた陽向。

ここ数日、仮入部という形で部活に顔を出していて、来週には正式に入部届けを出すと言っていた。

ハキハキしたカントクとは反対で、控えめで大人しい彼女。

その、彼女を中庭で見つけた。



友達とお昼を食べていたらしい…。

広げたままの弁当箱を膝に乗せて、ふわりと笑いながら話している彼女に顔が熱くなった。

なんだろう?部活のときとは違う顔。

あまり、おどおどしていない…

きっと、あの隣の子には心を開いているんだろうな…

まだ、俺たちには慣れていないんだろうな…





あれから、もしかしたら昼休みは中庭に居るんじゃないか?と小さな期待を持って、

だけど、わざわざ見に行くのもなんだか変な気がして、

移動教室の為に渡り廊下を通る今日をちょっとした楽しみにしていた。



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