第63章 挑む
洛山のキャプテンと火神が対峙していた。
凄い気迫の火神と、冷静に腰を落とす赤司くん。
「よし、抜いた‼」と誰もが思ったのに、火神が放った流星のダンクはゴールポストに弾かれて…
皆が、驚愕する。
「止めるぞ‼1本‼」
コート上には日向の声が響く。
(皆、お願い!)
ここは止めないと。
火神が赤司くんに食らいつくが、秀徳の時と同じく床に手をついてしまった。
すかさず、伊月がフォーローに入る。
しかし、
それをかわす様に、洛山の6番にパスが回って、ブロックに飛んだ木吉を避け、ダブルクラッチでシュートが放られた。
(ダメだ入る…)
皆が目を背けたとき、ドギャッとボールがボードを弾く音がした。
(凛…。すごい‼)
凛のブロックで得点は免れた。
嬉しさで、思わず手のひらで口を覆う。
考え込む火神の肩をポンっと叩く凛の姿に、胸がぎゅっと捕まれた。