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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第62章 絡まる


一旦、解散する事になった。

コガと一緒に帰って行く凛を見送ると、
なんとなく、誰もいない家にすぐに戻る気にもなれなくて二号の所へ足を運んだ。

しっぽを左右に揺らして、足元にすり寄る二号の頭を撫でてため息を溢す。


「二号。聞いてくれる?」

私の問いかけに「わぁう?」と首を傾げる二号。

「マネージャーのくせにさ、ちっとも集中出来なくて。なんか、もやもやしてばっかりで…。こんなんで会場に行ったら、また昨日みたいに迷惑かけると思うの…」


小さな部員は「わふぅ…」と、呆れたようにこちらを見上げている。
いつの間にか、左右に揺れていた尻尾は下がってしまった。


「二号は本当に賢いね。賢い君にお願いなんだけど…私の弱さ、もらってくれない?切り替えるからさ」

そうこぼして、「おいで」と両手を広げると、飛び込んできてくれた。


モフモフをぎゅうっと抱き締める。

クンクンと、頬に鼻を寄せる二号に『しっかりしろよ』と言われている気がした。



「二号、ありがとうね。君の方がマネージャーに向いてるかもね」


「わん!」と返事をする二号の頭を撫でる。

「じゃぁ、行くね」


そう言って立ち上がると、見えたのは黒子の姿。


「陽向さんも来たんですか?」

「うん。でも、もう行くね」


そんな短い会話をして、

黒子と二号に「また」と手を振って、

昼食を取りに自宅へと戻った。
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