第47章 片す 【side 水戸部】
「まぁ確かに、俺が隠し撮りしたやつだけどさー。ってか、あのとき勝手に撮ったらダメだって怒ってたよな!!何で大事に持ってるんだよ!!」
そう言われると、ぐうの音も出ない…。
『ごめん』と両手を合わせた。
「まぁ、いいけどさ。そんな事で嫌われないと思うけどねー。皆だって、日向あたりに『リア充死ね』とか言われるくらいじゃない?」
頭の後ろで両手を組んだ小金井が振り返った。
「でも、言われてみれば確かにちょっとストーカーちっく??」
えっ??
ストーカーって…。
そんなに異常だっただろうか?
「隠し撮り写真を後生大事に持ってたわけだろ?」
小金井の言葉に血の気が引いていく。
まずいだろうか?
謝って本人に渡した方がいいだろうか?
黙って処分した方がいいだろうか?
どうしよう…?
「…って、水戸部ー。冗談だって!!そんな顔、すんなよー。たかが写真だろ?大丈夫だよ」
大丈夫…かな?
「大丈夫だよ!それより、木吉と帰って行ったぐらいでヤキモチ焼くのやめなよー。束縛はげしいと嫌われるぞ!!」
バシッと腕を叩く小金井。
わかってる。
わかってるけど…。
「方向一緒なんだからしょうがないだろー?一人で帰して陽向に何かある方が嫌だろー?」
それは、そうなんだけど…。
訴え虚しく、
「そうゆうとこ、カッコ悪いぞー」
と、目の前の友人に呆れた顔をされてしまった。