第5章 勧誘
「おはよう。碧ちゃん」
今日も彼女は可愛い。
小さい。ふわふわしてる。
「昨日、さとしくん達と会ったんだってね。聞いたよ」
「おはよう。木吉にバスケ部のマネージャーに誘われちゃって…。どうしようか考えてる所」
「木吉くんね…。碧ちゃん大変そう…」
なんて、苦笑いをされた。
私はてっきり、『マネージャーのが仕事が大変』と言われていると思い、
「務まる自信がないよ。私じゃ無理だと思う」と呟いたが、
彼女は顔にハテナを浮かべた。
あれ?噛み合ってないかな?
疑問に思っていると、ガラッ‼と勢いよく教室の扉が開いた。
この後、彼女の苦笑いの意味を知ることになる。
私は忘れてた。
木吉鉄平…。
彼がどんな人間なのか…。