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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第40章 沈む


「俺、バスケ部やめようかな…」


練習後。
ジャグを洗いに体育館を出ようとすれば、そんな河原の声が聞こえた。


「俺なんかついていくのがやっと…」


そう言う河原に、先輩として、マネージャーとして何かしら声をかけるべきなんだろうけど、それができなくて身を隠す。

降旗が河原の話を聞いて

「俺も思った事ある」とか「火神見てりゃ誰だって…」なんて話し出した。

それ以上、盗み聞きにならぬようにそのまま後ずさって、体育館内へ戻った。


どこへ行くわけでもなく、ただ、その場から離れたくて、別の出入口から体育館を出る。


私の歩調にあわせて、ガタガタと籠の中のジャグが音を立てて揺れた。



頭の中はぐちゃぐちゃだ。
河原は本当にやめてしまうのだろうか?

逃げ出してしまった自分が恥ずかしい…。
悩んでる後輩に何も言ってあげられない自分が情けない…。


泣きたいのは後輩達のはずなのに、
私には泣く資格なんかないのに、
流れ出る涙が止まらなくて、
ひたすら目を擦った。




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