第4章 従兄弟
「いいんじゃね。別に」
裕ちゃんが言う。
「細かい事は、馴れだし。お前、どんくさいけど、バカじゃないから出来るだろ」
そう加えて、私の頭を撫でた。
裕ちゃんの手は結構好き。
お兄ちゃんの次くらいに好き。
同じ年の裕ちゃんだけど、私的には完全に兄のような存在だ。もちろん清志くんも。
だから、常にお兄ちゃんが3人いる感じだ。
それに3人共背が高いから、一緒に居ると人並みの女の子の様な気分になれる。
男子と目線が同じじゃない。
『でか女』と笑われたりしない。
当たり前のそれがとても嬉しくて、居心地がいい。
だから私は、どっぷりと甘えている。
いつも、守ってもらっている。
そんなんじゃ、本当はダメなんだけれど…。
「いいんじゃね」
と言う裕ちゃんとは反対に不服そうなのは清志くん。
「碧が男バスのマネージャーとか…想像出来ねぇ。てか、男ばっかだぞ。無理だろ。出来ねぇだろ?」
なんて呟いてる。
清志くんの言いたい事はわかる。
わかってる。けど…。
言い返したい気持ちを押さえて、
「もうちょっと考えてみるよ」
と答えた。