• テキストサイズ

【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第26章 増える


次の日。

「碧ちゃん」

昼休みが始まると、控えめな声が後ろの扉から聞こえた。

目の前には『行ってらっしゃい』と手を振る凛。

「うん。行ってくるね」


コクンと凛が頷いたのを合図にお弁当を掴み、彼女の方へ向かった。


「行こっか」

「うん。土田はいいの?」

「さとしくん?友達と食べてるよ。水戸部くんは?」

「凛は保健室の当番。なんか、久しぶりだね。嬉しい」

二人で笑い合いながら中庭のベンチに腰掛ける。



「バスケ部、面白い子入ったんだってね」お弁当を広げながら彼女が言う。


『面白い子』の心当たりがありすぎてクスッと笑った。


「碧ちゃん、ちょっと変わったね」


「えっ?変わった?」
彼女の言葉に聞き返した。


「うん。よく笑うようになった。明るくなったよね。それに…その髪型、水戸部くん?可愛い」


「朝、時間があるとたまにやってくれるの…。妹さんのリクエストが複雑になってきたから、練習したいんだって」

ちょっと熱を持つ頬を両手で隠せば、
「仲良しだね」と彼女が笑う。

「お二人程ではありません」と、私もちょっとおどけて笑った。


「やっぱり変わったよ。素敵だと思う」

そう言う彼女もとても素敵で、彼女と友達になれて良かったと改めて思った。
/ 402ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp