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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第24章 彩る


凍てつくような風に冬を感じる。
冬休みが過ぎて、3学期も終わりに近づいて来た。

『春を見つけました』なんておは朝のお姉さんが言っていたけど全然春じゃない。


「凛、寒いね」

隣にいる水戸部の腕に、そっと寄り添った。





クリスマス前にもらった手紙には「名前で呼んでほしい」と書いてあったので、私は『凛』と呼ぶ事にした。

次の日に持って行ったケーキは皆よろこんでくれたし、

彼に作って行ったお弁当は皆に冷やかされもしたけれど…。






お互いに冬生まれの私達。

凛の誕生日から立て続けに、毎月の様に、いわゆるイベント事をささやかに祝ったりもして、私達は恋人らしくなってきた。

あくまで、サイクルの中心は部活。
それはどちらも同じ思い。


それでも、名前で呼び合うようになったことをきっかけに、一緒にお弁当を食べたり、休み時間にお互いの教室へ顔を出したりとちょっとずつ距離を縮めて、今では自然体でいられるようにもなった。




相変わらず、手を繋いで帰るくらいの清いお付き合いではあるけれど、それも私達らしい。


「もうすぐ、春休みだね」

コクコク

「新入生、たくさん入るといいね」

コクコク

「来年は同じクラスだといいな…」


凛の手が私の髪を撫でて『そうだね』と笑う。


もうすぐ、私達は二年生だ。


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