第23章 圧される 【side 宮地清志】
両親不在の今日、
裕也が航達のマンションに泊まると言うから、自主練後に俺も合流した。
「飯は外で食うか」と航と話してリビングの扉を開ける。
うわ…
目の前の光景が気に入らねぇ。
裕也の奴、彼女出来たとか言ってなかったか?
碧も、嬉しそうに頭撫でられてんじゃねぇよ。
コイツらなんなんだよ。
無性に腹が立って、制服のままの碧を「とっとと着替えろ」と睨みつけた。
俺の横をビクビクしながら通りすぎる碧。
「なぁ」と裕也が呼ぶ。
「なんだよ」
俺は機嫌が悪い。
話しかけんじゃねぇよ。
「いい加減にしろよ。そんなんだから横からかっ拐われるんだろ?」
「はぁ?意味わかんねぇよ」
「なんで、優しくしてやれねぇんだよ。アイツがあんなんしてんのは兄貴のせいだろうが」
「お前には関係ねぇよ」
「関係あるなしじゃねぇだろ!!」
「うるせぇよ!!」
だんだんヒートアップしてきて裕也と言い合いになるが、「喧嘩するなら帰れ」と航に止められた。