第22章 圧される
二人でドアの方を見ると、眉間にシワを寄せた清志くんがいる。
「あれ?航は?」裕ちゃんが聞いた。
「外に食いに行くって話しになった。とっとと着替えろよ」
目線が私を向いている。
「…ごめんね。すぐに着替えてくる」
「はぁー」っと裕ちゃんのため息が聞こえて、背中を押されて促される。
清志くんの眉間にはシワがよったままだ。
そそくさとリビングを出て、部屋に向かって適当に着替えた。
髪を整えて、ヘアピンをとめなおす。
ガラス玉のヘアピン。
これをくれた時はまだ、笑ってくれてたな。
いつから、清志くんの眉間にシワが寄るようになっちゃったのかな…?
リビングへ戻ると、清志くんの表情が少し柔らかくなっていて、
「じゃあ、行くか」のお兄ちゃんの声で、皆で近くのファミレスに向かった。