• テキストサイズ

【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第20章 伝わる


あれから数週間。

せっかくアドバイスをもらったのに、私は何も変われなかった。


あからさまに目を反らす事は減ったと思うが、やはり水戸部を避けてしまう。



先日の文化祭もそう…


誘ってくれた二人のお言葉に甘えて、三人で回ったんだけど…


緊張しすぎてドキドキして…。



コガの話に頷くばかりで、ちっとも水戸部の方を見ることができなかった。

後から、『一緒に写真撮った?』なんて彼女に聞かれたけど、とんでもない。

それどころじゃない。

もう、重症だとおもう…。





今日の帰りも、誰も居ないのを見計らって、逃げるように校門を出た。

最近はいつもこうしている。

帰り際に水戸部に見つかれば、
たぶん『あぶないから、送る』となるだろうし、

でも…

二人になると、
緊張し過ぎてわけがわからなくなってしまうから…。


だから、誰も居ないのを見計らっていた。


それなのに、誰かにガシッと腕を捕まれる。


ふいの事に思わず肩が跳ねて、
身体が強ばって…
それでも、おそるおそる振り向くと、
怒った表情の水戸部が居た。


息が切れている。

きっと、走って来たんだろう…。




/ 402ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp