第6章 Sixth sense
「何を言うが!
今、無茶せんで何時すっど?
のそん姿を目の前にぶら下げられて無茶すんななんぞ
それこそが無茶じゃ!」
拗ねた子供のような言い種の豊久に、私はクスッと笑ってしまったけれど
「あっ……」
いきなり股間に差し込まれた大きな手に現実に引き戻される。
「もう湿っちょるのう。
は厭らしい女子(おなご)じゃな。」
ニヤニヤと私を見下ろす豊久に恥辱を煽られ、どんどんと私の余裕は削がれて行き、そして………
「……………っつ!」
唐突に指先を差し込まれたせいで下半身に激痛が走り、ビクンッ…と身体を強張らせた私の両手が豊久の胸を強く押し返した。
眉間に皺を寄せて固く目を閉じ小刻みに身体を震わせる私に、豊久は低い声で問い掛ける。
「………
お前(まあ)、未通女(おぼこ)か?」
その真剣な声色に恐る恐る目を開けると、豊久はまるで珍しい物を見るような目で私を見ていた。
豊久が生きていた時代では17、18で子供を産むなんて当たり前だっただろうし、20歳で男性を知らないなんて引かれちゃうかな?
そんな女、きっと面倒臭いよね?
嫌がられてしまうかも……。
ネガティブな考えがグルグルと頭の中を駆け巡るけれど、もう誤魔化す事なんて出来ない。
だから私は覚悟を決めて豊久を見上げたまま、小さくコクンと頷いた。