第6章 Sixth sense
「ん……豊久……ふっ……とよ…ひ……っ…」
「………んん………」
口付けの間に名前を呼んでいるのか、名前を呼ぶ間に口付けているのか……
私と豊久は夢中になってお互いの唇を貪り合う。
そうしながらも豊久の手は休むこと無く私の身体を這い回り、私が着ていたワンピースはもう無造作に床に落とされていた。
「相変わらず奇妙なもんを身に付けちょるのう。」
豊久はブラとショーツだけになってしまった私の身体を興味深そうに見下ろす。
「そんなに……見ないで。」
改めて恥ずかしさが沸き上がり、私は真っ赤に染まった顔を背けてしまった。
「これは見られると恥ずかしいもんなんか?」
面白そうにそう言った豊久の指先がブラに着いているレースを撫でた。
「美しい布地だの。
こんなもん、初めて見たわ。
じゃっどん……に触れる為には邪魔じゃ。」
胸に感じる僅かな刺激と、艶やかに囁かれる豊久の低い声にゾクゾクと身体が震えてしまう。
だけど顔を背けたままじっと待っていても、豊久はその先に進んでは来なかった。
不思議に思ってそっと見上げると、豊久は私に跨がったまま困ったように首を傾げている。
「………豊久?」
どうしたのだろうと呼び掛けてみると
「破いてしまう訳にはいかんしのう。
…………外し方が分からん。」
真剣に悩んでいる様子の豊久に、私の顔は自然と綻んだ。
本当にこの人は………何て可愛らしいのだろう。
私は両手を背中に回し、自らブラのホックを外す。
パチン…と小さな音を発ててフッと浮き上がったブラを見た豊久は「おおっ!」と感嘆の声を上げた。
「まるで妖術の様じゃな、。」
嬉しそうにニコニコと笑う豊久に釣られて、私もふふ…と小さく笑ってしまった。