第6章 Sixth sense
「あー……時間が掛かるかぁ。
で、あるかぁ……。」
苦笑いをする信長様。
「まあまあ、信長殿。
良いじゃありませんか。
あ、お豊(トヨ)……くれぐれも無茶はしないように。
さんの為にも…ね。」
何故か嬉しそうな与一さん。
そんな2人が連れ立って出て行くのを見届けてから、私は上目遣いに豊久を睨み付けた。
「何ぞ?その顔は。」
「だって……恥ずかしいよ。
じゃじゃ馬を手懐ける……なんて。」
これから私と豊久がどうなるのか……信長様と与一さんは絶対に想像してる。
もう、本当に顔から火が出そうだよ。
それでも豊久は笑顔のまま
「じゃじゃ馬じゃろうが。」
そう言って身体を反転し、仰向けに寝かせた私に覆い被さって来た。
以前、豊久に組み敷かれた時と同じ状態なのに……
あの時はあんなに怖かったのに……
どうしてかな?
今は豊久の身体の重さがとても心地好い。
「こうしてを見下ろすのは二度目じゃな。」
「うん。」
「もう……引かんど?」
「………うん。」
豊久の顔が下りてきて唇が重なる瞬間、
「……待って!」
私は豊久の肩を押し上げる。