第2章 Second impact
「本当ですよ。
コミックにもなってるし、映画やドラマもたくさん。
それからゲームにもなっててですね、
そうだ、最近は乙女ゲームでメッチャイケメンでドSの信長様と
恋に堕ちたがる女子がいっぱい……」
あ……コレ………3人共確実に引いてる。
そして信長様は
「いけめん……どえす……
の言っとる言葉が何一つ理解出来ん。
一体………何が起きた、未来。」
遠い目をして無表情でそう呟いた。
じっとりと重苦しい空気が漂う中、与一さんが場を和ませるように私に向かって微笑んでくれた。
「では、私はどのように伝わっておりますか?」
私は自分の頭の中にある情報をざっと探ってみる。
「与一さんはやっぱり源平合戦、屋島の戦いですね。
そこで扇の的を見事に射落として……」
「だっーーーーー!
やっぱりそれ?
800年以上経ってもそれが有名なの?
あれねー、義経って人に言われたんだよねー。
いきなりねーー。
扇を射ち落とせとか可笑しいでしょー、あの人。」
これまでとは全然違う与一さんの姿にビックリしていると、信長様が私の肩に手を置いた。
「気にせんでえーぞ、。
この話が出ると与一は何時もこうだからな。
余程その義経って奴に遺恨があるんだろーて。
源平の軍記と全然違うのなー…こいつ。」
くつくつと笑いながら私を庇ってくれる信長様。
その優しさにもちょっとビックリなんだけど……。