• テキストサイズ

Indispensable~ドリフターズ~

第6章 Sixth sense


「豊久……豊久……」

私はその傍らに跪き、名前を呼びながら豊久の頬を両手で何度も撫でた。

「大丈夫だ、。
 呼吸も安定しておる。
 目を覚ます迄、待つしか無かろう。」

「………はい。」

信長様の言う通り、豊久は只眠っているだけのように見える。

撫でる頬も温かくて、漸く私は人心地付く事が出来た。



北方へ戻ると言う彼等を見送る為、私が外に出ると西部劇風の2人が名乗ってくれた。

「俺はブッチ。
 ブッチ・キャシディだ。」

「ザ・サンダンス・キッド。
 ヨロシクな、お嬢さん。」

この2人………もしかして……

あの映画のモデルになった人達じゃないのかな?

あのポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが出演してたアメリカ映画。

私が生まれるずっと前の映画だけど、傑作西部劇として映画史に残る……

「明日に向かって撃て……」

私がついその映画のタイトルを呟くと、2人は目を瞬かせてから大声で笑い出した。

「いやぁ……粋な台詞だねぇ、それ。
 俺達も使わせてもらっていいか?
 なあ、ブッチ。」

「全くだ。
 でも俺達にゃ、どこに行ったって
 明日なんてねえけどな。」

カラカラと笑い続ける気さくな2人に私の頬も緩む。
/ 169ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp