第5章 Burning quintet
何の事を言っているのだろう。
私が苦しそうに顔を歪める土方歳三を見つめると、彼は堰を切ったように畳み掛けて来た。
「何故、来てくれないんだ?
総司も斎藤も源さんも……
勇さんも来てくれない。
何度も呼び出そうとしたのに……」
私に教えを請うと言うより、もう既に土方歳三の独白になってしまっている。
「怒ってんのか?
俺が『ここ』に居るから……
俺が『廃棄物』になったから………
怒ってんのかよう、勇さんよ。」
土方歳三の怒りが、苛立ちが、苦しみが怒濤の如く押し寄せて来て私の胸はギリギリと締め付けられた。
私なんかがこの人を救える訳が無い。
改めて自分の無力さを痛感していると、彼は再度私を見つめて声を絞り出した。
「なあ………教えてくれよ。」