第5章 Burning quintet
「俺達……?」
私がそう呟いて恐る恐る目を開くと、彼の切な気な視線とぶつかった。
どうしてこんな目をしてるの?
こんな哀しそうな………。
すると突然彼の周りにあの靄が現れる。
あの時、私の身体を拐った靄……だけど今は恐怖は感じない。
もう私はこの正体に気付いているから……。
「新撰組の皆さん……ですね。」
「やっぱり……貴様は知っているのだな。」
土方歳三のその言葉が合図だったのか、揺蕩っていた靄が形を成して行く。
はっきりとでは無いけれどそれは人の集まりで、やはり全員が浅葱色の羽織を身に付けていた。
そしてその全員に縋るような視線を向けられているのを感じる。
「貴様は俺達が戦っていた頃より
随分と後の時代から来たのだろう?」
「そうですね。
貴方が函館で戦死されてから150年程先の時代です。」
「150年………」
彼は私の答えには流石に驚いたみたいだ。
「では教えてくれ。
勇さんは……
総司は…………何故来ない?」
「え………?」