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Indispensable~ドリフターズ~

第5章 Burning quintet


「この娘の愛らしい顔に生涯消えぬ傷を付けてやろうか?
 それともいっそ殺してくれと願う程に凌辱してやろうか?
 どうすれば貴様はもっと苦しむ?
 さあ………教えてくれ。」

嫌だ。

顔を傷付けられるのも、この人に犯されるのも嫌だ。

でも何よりも一番嫌なのは……豊久の足枷になってしまう事。

だから私は必死で身を捩った。

「放…してっ……!」

何とか土方歳三の腕から逃れようとするけれど、抱えられた身体はびくともしない。

「豊久っ……
 私の事はいいから……だからっ……」

せめて言葉で伝えようと声を張り上げると

「五月蝿い。
 邪魔をするな。」

冷たい声と共に、私の鳩尾に躊躇無く柄尻が打ち込まれた。

「……………っ!」

苦しい……息が出来ない。

胃液が逆流し全身から力が抜けて、意識も朦朧として来る。

「いじらしいではないか。
 こんな小娘が貴様を守ろうとするとは。」

「おい……の身体に掠り傷一つでも付けてみい?
 主(ぬしゃ)の首だけでは済まん。
 膾斬りじゃ。」

「では貴様のその苦痛を存分に愉しませて貰おうか。
 この娘は戴いて行く。
 次は貴様が出向いて来い。
 但し、余り俺を待たせるなよ。
 この娘の変わらぬ姿が見たいならば……な。」

私は薄れていく意識の中でそのやり取りを聞いた。

ごめんね、豊久。

本当にごめんなさい。

ひたすらに豊久への謝罪を思い続けている内に、私の意識は途絶えてしまった。
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