第4章 Crazy four
トシゾウ……ヒジカタ?
……って、あの……
「土方歳三?
新撰組の?」
信じられない名前を聞いて、私はついサン・ジェルミさんに食らい付くように問い掛けた。
「ふふん……やっぱりは知っているようね。」
サン・ジェルミさんはしてやったり顔で腕を組む。
「あの土方歳三が廃棄物(エンズ)に……
どうして……」
私は無意識にそう呟いていた。
1853年の黒船来航から始まった江戸幕府の衰退。
そこから倒幕派と佐幕派……動乱の時代に突入して、当時の政治の中心地京都を守護する為に集められた武装集団が新撰組。
その新撰組で『鬼の副長』と呼ばれ、明治に入っても最後の最期まで戦い続けた武士が土方歳三だ。
日本最後の侍と言われた人物。
有名過ぎる程に有名な偉人。
信長様と良い勝負な位に……。
そんな彼が廃棄物(エンズ)としてこの世界に居るなんて……。
何故?
土方歳三は何を恨んでいる?
一体、何を………?
自分の持っている知識をフル動員して必死で考えている私を見たサン・ジェルミさんが堪らなく満足そうに笑う。
「そう……そうよ、。
考えなさい。
考えて考えて、どうすればこの3人が勝てるのか
答えを与えてやるのよ。」