第3章 Triple fighter
「ゆっくり休んで下さいね」そう言いながら出て行った与一さんと入れ替わるように、今度は信長様が現れた。
「おう、。
まっことスマンかったにゃあ。」
何故か申し訳無さそうな信長様に
「いいえ。
私は大丈夫ですから。」
と、私の方が恐縮してしまう。
「あの大馬鹿な総大将はきっちりと締め上げておいたでの、
何とか勘弁してやってくれ。」
総大将を締め上げるって……
本当にこれじゃどっちが大将なのか分からないよ。
私は可笑しくなってクスクスと笑った。
「うむ……やはりは笑っておらねばならんて。」
そんな私を見つめる信長様の目はとても優しい。
これが第六天魔王と呼ばれた織田信長?
焼き討ちが得意で、自分に刃向かう敵は徹底して殲滅させた戦国武将の筈なのに……
やっぱり伝えられてる史実だけでは宛にならない。
心から労るような視線を向けてくれる信長様を見て、私はそれを猛烈に痛感した。
「本当に大丈夫です。
豊久の事も恨んだりしてない……」
「豊久?」
私の言葉を遮って、信長様はやんちゃ坊主のようにニヤリとした。
「ほうほう……豊久……とな?」