第3章 Triple fighter
「戦う理由……ですか?」
キョトンとしてる私を見つめて、与一さんはニッコリと笑った。
「そう。
僕達が居た時代より随分と後に生きていたさんが
幸せそうに笑ってた。
それが自分の信念が間違って無かったんだって思えて、
未来の人が笑って暮らせる世界を作れたんだって思えて……
その為に戦えるならば命なんか惜しく無い…ってね。」
そんな風に思ってくれてるの?
私なんか何も出来なくて怖がってばかりなのに……。
「だからお豊(トヨ)はさんの事が好きなんだと思うんだ。」
「与一さん……」
「それに……僕も信長殿も一緒ですよ。
ね、だからさん……
僕達の側から居なくなったりしないで下さいね。」
もう……そんな事言わないで欲しいよ。
こんな所に飛ばされてしまった自分が、実は凄く幸せなんじゃないかって思ってしまう。
また涙が溢れそうになって、私は慌てて与一さんの視線から両手で顔を隠した。
「まあ、正直に言うと
お豊(トヨ)は勿論、僕も信長殿も
只の戦好きなんだけどね。」
「…………ぷっ…」
与一さんの言い種につい吹き出してしまう。
きっと私を笑わせてくれたんだよね。
そんな与一さんの優しさがじんわりと胸に染み渡った。