第3章 Triple fighter
衝撃的過ぎる台詞に抗議の声を出す隙も与えられないまま、豊久は突然私に覆い被さる。
「ちょっ……ちょっと!」
豊久の大きな身体を押し返してみるけれどビクともしない。
「今から作るど。」
そう言うや否や豊久の手は私の着ているワンピースの裾を無遠慮に捲り上げた。
「止めてっ…!」
今から作るって……
ここは屋外で、まだ明るいし、私が押し倒されているのは草の上で、ムードもへったくれも無くて……
ううん、例えここが屋内で、薄暗くて、ベッドの上で、ムード満点だったとしても無理だからっ!
「イヤだ……豊久。
お願いだからっ……止めて。」
豊久の下から何とか逃れようとするけれど、私に押し掛かるその重さが許してくれない。
それでも大人しく受け入れる訳にはいかないと必死で身を捩る私を、豊久は不可解そうな表情で見下ろす。
「こんなもん子を成す為の只の行為じゃろうが。
何でそがいに拒みよる?」
どうしよう……本当にどうしよう。
どうすれば伝わるの?
こんなの普通じゃないって。
私と豊久を隔てる400年以上の時間がもどかしい。
その感覚の違いを埋める為の言葉を探して探して………
「何じゃあ?
随分と奇妙なもんを穿いちょるのう。」
唐突に豊久の手が私のショーツを掴んで引き下ろしに掛かった。
「………っ!」
それを阻止するべく固く閉じた太股に、熱く大きく主張を始めた豊久の存在を感じ………血の気が引いていく。
…………怖い。
豊久が怖い。
私の身体は小刻みに震え出し、視界がじわりと滲む。
恐怖でもう声も出せない私を漸く観念したと思ったのか、豊久は私の耳元に口を寄せて言った。
「直ぐに終わらせるち、ちくっと辛抱せい。
さ、脚を開け……。」